2013年10月の税務と労務
10月10日 | 9月源泉所得税の納付 |
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10月31日 | 8月決算法人の確定申告(法人税・消費税等) |
10月31日 | 2月決算法人の中間申告 |
10月31日 | 11月、2月、5月決算法人の消費税等の中間申告(年3回の場合) |
市町村の条例で定める日 | 個人の道府県民税および市町村民税の第三期分納付 |
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10月31日 | 労働保険料第二期分の納付(労働保険事務組合委託の場合は11月14日) |
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トップの決意
多くの日本人が夜通しで見守るなか、九月八日午前五時過ぎ「2020年東京五輪」が決まり、日本中が歓喜に沸いた。七日に行われた最終プレゼンテーションでの我が同朋の素晴しいスピーチの数々に感動し胸を熱くした人も多いはずだ。
最初にステージに立ち、東日本大震災へのIOCの支援に感謝した高円宮妃久子様のスピーチ。IOCへのお礼やスポーツの素晴らしさを伝えながら直接的には招致には触れないという絶妙な内容と圧倒的な気品は会場の空気を一変させたはずだ。続いて登壇したパラリンピック陸上の佐藤真海さんは骨肉腫による右脚の切断、故郷の被災という困難を「スポーツの力」で乗り越えた自身の半生を訴えた。
二人のスピーチは「歴史的大地震の中で勇気と誇りを持って行動する日本国民に敬意を表する」と世界中が絶賛した日本人の資質に対する共感を呼び戻し、東京開催の意義をIOC委員に明確に伝えることになったに違いない。そして東京招致に重くのしかかった福島第一原発の汚染水問題も、七人目のプレゼンターとして登壇した安倍首相自らの力強い言葉とその後の質疑での鮮やかな説明で一挙に挽回し、汚染水に関する不安払拭に成功した。ロイター通信も「安倍首相の演説が東京五輪大会決定の決め手となった」と報じている。
前回の2016年招致では民主党政権は及び腰で、当時の鳩山首相はIOC総会への出席を直前まで渋ったという。東京が掲げた「オールジャパン態勢」は文字通り看板倒れで勝てる要素はなかったのだ。
対照的に安倍首相は政権発足直後から招致に熱心で、初外遊となった一月の東南アジア歴訪の出発前の勉強会では「訪問国のIOC委員の情報が全くないではないか。なぜ調べないのか。」と外務省幹部に雷を落としたと伝えられている。首脳会談でもスーツ左胸につけた五輪招致キャンペーンのピンバッジを外し、相手に手渡す等の演出も続けた。
また、六月のアフリカ開発会議では「かつてアフリカ勃興を世に知らしめる舞台となった東京五輪が再び開けますように支持をお願いします」と訴えている。国内では省庁横断で極秘チームを作り、IOC委員の滞在先に官界、民間双方から人を派遣し説得工作を続けたともいう。
このように安倍首相は自ら先頭に立って地道な招致活動に取り組んだ。関係者が奮い立たないはずがない。安倍首相の決意が「悲願」を手繰り寄せたのだ。そして、我国は復活へまた一歩前進した。
田幡 民生