田幡の知恵

毎月1回、税務や労務に役立つ情報を更新しております。是非ご一読ください。

Back

Next

今月のコラム

株式市場もイカサマ賭博場

連日史上最高値を更新している米国に比べ、日本の株価の動きは冴えない状態が続いている。

しかし、デフレからインフレへの政策転換を基本方針とする安倍政権は、今後何が何でも「インフレに持っていく」「株高に持っていく」「国民に株式を購入するように誘導する」戦略を次々と実行していくはずだと株式市場に足を踏み入れている人々は期待しているところだ。

 しかし、日本のマスコミで報道されることはないけれど、今、欧米や日本の市場は最新のコンピュータを駆使して1000分の1秒の間に何百という市場取引ができる「超高速取引」を行う業者によって席巻されており、一般投資家はすべてカモのようなものだと指摘するむきもある。

 超高速取引業者は一般の投資家に先んじて価格や注文に関する情報を得ることが可能で、それを利用して薄利でも確実に儲けることができる取引を天文学的な回数を繰り返し、膨大な利益を享受しているという。

彼らの主戦場は今や日本でシェアは四割を超え、毎日一兆円にのぼる取引を繰り返しているそうだ。超高速取引業者の異常な儲けぶりの例として話題になっているのが、米国の投資会社バーチュ・ファイナンシャルだ。

 過去五年間(2009年1月?2013年末まで/1,238日)毎日毎日取引を繰り返しながら負けた日は一日しかなかったという。普通の取引では明らかに不可能だ。最近の日本市場の変動率が異常に大きくなってきているのも、背景にこの超高速取引が絡んでいるとすれば納得がいく。このまま進めば瞬時の暴騰や暴落が日常茶飯事になるのかもしれない。

 賭博にはイカサマはつきものだが、日本の株式市場でも露骨に白昼堂々と八百長が行われていることを我々は承知しておく必要がある。八百長ゲームが行われているカジノに案内されていく間抜けな観光客にならないために。

田幡 民生

Back

Next

Back to top